削り削って
音楽をしてる時に、
どうして音を入れるのか分からなくなってしまう時がある。
大切なのはそこじゃないんだけど、
正確に、みんなが聞こえるための音楽ってなんだろうって考えた時に、
やっぱり隙間が大切なのかなと思ったりする。
最近はもうパソコンとの睨めっこの繰り返し。
あいつ全然笑わないし、
こっちも笑わないから、
根負けしてギブアップするのは毎回自分。
日比野克彦がインタビューでアール・ブリュットの作家について語っていた。
「アール・ブリュットの展覧会に行った時に、画面全体にぎっしりと色鉛筆で描かれた色とりどりな作品があった。とても綺麗な作品だったので、作者の作業風景を見学させてもらうことにした。」
「制作風景を見ると、作者は黙々と色を塗っては鉛筆を削り、鉛筆が小さくなるまで使い続ける。もう削れなくなるくらいまで鉛筆が小さくなったら、また隣の色鉛筆を描いては削る。
これを永遠に繰り返していた。なぜそのようなことをしているのかと作者の親に聞いくと、彼は鉛筆削が好きで、鉛筆を削るために色を塗っているというのだ。」
私は後頭部をガツンと殴られたような感覚と同時に、背筋がぞくっとした。
自分が音楽を作る理由はなんだろうかと考えてみる。
芸術は技術をつけていくところから始まるが、有る程度高め終わったら次は自分自身の個性を表現しなければならない。
その個性の部分に移行する時に
私は鉛筆の使い方を決め込んでしまっていたのかもしれない
誰に習うでもなく好きな曲を鳴らしてた時と、
感覚が違ってきている中で、
意図的に偶然を作り出すことはできるのでしょうか??